CTスキャナーで内部を透過するなどして、画像化したトカゲ類の骨の化石(御船町恐竜博物館提供)
熊本県御船町にある白亜紀後期の地層で13年前に見つかったトカゲ類の骨の化石から、この時期の地層としては国内で初めてヨロイトカゲ類などの特徴が確認された。ヨロイトカゲ類などが分布した時期を知るうえで貴重な手がかりで、専門家は「世界的に重要な発見」と話す。
化石は2004年、熊本大を卒業したばかりの筑紫(ちくし)健一さん(36)=北九州市=が約9千万年前の地層で地質調査をしていて、直径約4センチの石灰質の塊の中にあるのを発見。御船町恐竜博物館に寄託した。
その後は留学や就職などで、この化石の調査から離れたが、13年に放送大学の大学院に入って調査を再開。内部を透過するCTスキャナーなどを使って「皮下骨(ひかこつ)」という体の表面を覆う板状の骨が含まれていることを突き止めた。
特徴的な皮下骨の存在から、骨の主は白亜紀に絶滅したムカシヨロイトカゲ類か、白亜紀に現れて衰退し、現在はアフリカ大陸などにしか生息していないヨロイトカゲ類の仲間であることが分かった。肋骨(ろっこつ)や脊椎(せきつい)骨もあり、化石は胴体部分で体長は約30センチと推定している。
どちらの仲間でも、国内で白亜…