103本目の本塁打を放ち、仲間と喜ぶ早稲田実の清宮(中央)
早稲田実の強打者・清宮幸太郎(3年)は客席からの声援に応えられる男だ。
早実・清宮「ワクワクと不安」 西東京大会、対戦決まる
清宮100号「高校通算本塁打」とは KKコンビ起源?
「清宮さーん、ホームラン打ってください!」。17、18日に香川県高校野球連盟などが主催した招待試合(レクザムスタジアム=中堅122メートル、両翼96メートル)の最後となった4試合目(丸亀城西戦)の四回、先頭で打席に向かう清宮に男性ファンから声が飛んだ。それまでの3試合で清宮に本塁打は出ていなかった。
だが、その直後の初球。捉えた打球はセンターバックスクリーンに飛び込む高校通算102本目の本塁打。客席の約3500人が一気にわいた。さらに六回にも中堅左に運ぶ103号を放ち、悠々とダイヤモンドを回った。清宮に客席からの声は重圧にならないかと尋ねると、「当然、声は聞こえています。でも、そんなには気にならない。慣れてきたのかなあ」とほほえんだ。
5月中旬から早稲田実は招待試合ラッシュだった。5月13、14日の熊本から始まり、20日からの春季関東大会を挟んで27、28日は沖縄に招かれた。6月に入って3、4日は愛知を行き、そして今回の香川で最後だった。清宮はその各地で本塁打を放った。熊本で93号を放ち、沖縄で96号、愛知では一気に4発放って100本の大台に乗せた。日頃から清宮は「スタンドからの声援は僕らの力になる」と言い続けている。そして、この日は「各地で打てたことはうれしい」と素直に喜んだ。和泉監督は「今年、主将として清宮がやってきていることはチームが勝つこと。ただ、(各地で打つことは)なかなかできることじゃないよね」と高校生ながら、プロのように観客の期待に応え続ける背番号「3」の活躍に目を細めた。来月からは全国選手権西東京大会が始まる。最後の夏に向け、清宮は「しっかりと調整して臨みたい」と語った。(坂名信行)