静岡県の伊豆半島沖で17日未明、フィリピン船籍のコンテナ貨物船と米海軍のイージス駆逐艦フィッツジェラルドが衝突した事故で、在日米海軍は19日、行方不明となっていた同艦の乗組員7人全員の遺体を確認したと発表した。亡くなったのは19~37歳の男性で、氏名も公表した。いずれも浸水した居住区域から発見されたという。
18日の米海軍の発表では、家族への通知が済んでいないことを理由に犠牲者の数を明らかにせず、「数人」としていた。亡くなったのは、射撃員ダコタ・カイル・リグスビー上等水兵(19)▽事務員シンゴ・アレクサンダー・ダグラス3等兵曹(25)▽ソナー員ナック・ティー・トゥルーオン・ハウィン3等兵曹(25)▽射撃員ノー・ヘルナンデス2等兵曹(26)▽射撃管制員カルロスビクター・ガンゾン・シバヤン2等兵曹(23)▽人事専門員ハビエー・アレック・マーティン1等兵曹(24)▽射撃管制員ギャリー・リオ・レム・ジュニア1等兵曹(37)。
米海軍によると、衝突事故で船体の右舷側に大きな穴があき、116人が居住する区域に海水が一気に流入した。同艦は米海軍横須賀基地(神奈川県横須賀市)に戻り、ダイバーが艦内を捜索して7人の遺体を発見した。いずれも逃げ遅れたとみられる。他に艦長ら3人が負傷した。
一方、同艦と衝突したコンテナ貨物船ACX CRYSTAL(エーシーエックス クリスタル)は19日朝、東京・大井埠頭(ふとう)を離れ、横浜港の南本牧埠頭に入った。
当初は横浜港での荷役作業の後、国外に向かう予定だったが、第3管区海上保安本部などの調べに引き続き応じるとともに、損傷箇所を修理するため、横浜港で停泊を続けるとみられる。同船をチャーターしていた日本郵船は、「亡くなられた方々のご冥福を心からお祈り申し上げる。船主と連携し海保の調査に全面的に協力していく」としている。(前田基行、豊岡亮)