八回に1点差に詰め寄られ、マウンドで励まし合う明秀日立の選手=日立市民、坂名信行撮影
(13日、高校野球茨城大会 明秀日立5―4鬼怒商)
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夏の初戦は難しい。
茨城大会2回戦。明秀日立の金沢成奉監督は、鬼怒商に5―4と苦しみながら勝った後、浮かない表情で話した。「初戦の重さですかねえ。うちの悪いパターンでした」
明秀日立は、昨秋、今春の茨城県大会を制した。甲子園経験がないチームが、いわゆる「第1シード」の立場で大会を迎えた。
この日は一回に2点を先制し、中盤も主将の若松祐斗(3年)のソロ本塁打などで加点し、主導権を握っていた。だが六回、先発猪狩悠貴(3年)が2死一、二塁から連続四球で1点を許す。さらに2点適時打を浴びて2点差。金沢監督は「『秘密兵器』。本当は2イニングのつもりだった」という細川拓哉(2年)を六回途中から救援させ、逃げ切った。
金沢監督は1995年から光星学院(現八戸学院光星)を率い、甲子園に春夏計8回出場した。その間、巨人の坂本勇人らを育てた。総監督になってからも11年夏、12年春夏の3季連続甲子園準優勝を支えた。12年9月から明秀日立の監督に就任し、5度目の夏を迎えている。
昨年はDeNAに入団した細川の兄成也(外野手)らがいて、「手応えはありました」と振り返る。しかし、夏は常総学院に決勝で0―1で敗れた。
今年の茨城について、金沢監督は「昨年の常総学院の鈴木(昭汰)君(現法大)のような安定感のある投手が県内にいない」と分析。そのうえで、「実力もそうだが、運も向かないと。選手には勝利の女神がほほえんでくれるようなプレーをしようと言った。でも、今日みたいだとほほえんでくれない」と話した。(坂名信行)