4月の日本選手権の女子200メートル個人メドレーで優勝し、客席に手を振る大橋悠依
水泳の世界選手権(ブダペスト)は23日から競泳が始まる。日本代表の目標はメダル16個。2020年東京五輪に向け台頭が待たれる世界大会未経験組では、4月の日本選手権女子400メートル個人メドレーで日本記録を3秒以上更新する4分31秒42をマークした新星、大橋悠依(東洋大)に期待がかかる。
滋賀県彦根市出身。北島康介さんや萩野公介(ブリヂストン)らを指導した平井伯昌コーチに誘われて東洋大に進んだが、1年生の後半から体調不良が続いた。2年夏には「水泳をやめたい」と周囲にこぼすほどだったが、不調の原因が極度の貧血だったことが分かり、投薬と食生活の改善で十分な練習ができるようになると大きく成長した。4月の日本選手権のタイムは、昨年3位に終わって出場を逃したリオデジャネイロ五輪3位相当の記録だ。
得意なのはゆったりとしたフォームですーっと進む背泳ぎ。小学3年から高校まで指導した奥谷直史・草津イトマン所長が「背泳ぎでペットボトルをおでこに乗せて泳ぐと、他の子は落とさないように必死なのに普通に泳いだ」と語る素質がやっと花開いた。大橋は「代表で合宿を重ねて、自分もメダルを取りたいと自覚が生まれた。取って帰ってきたい気持ちでいっぱい」と話す。
リオ五輪組は男子400メートル個人メドレーで3連覇がかかる瀬戸大也(ANA)と五輪金の萩野が対決。200メートル平泳ぎは世界記録保持者の渡辺一平(早大)が五輪で逃した表彰台を狙う。女子個人5種目の日本記録保持者、池江璃花子(ルネサンス亀戸)は100メートルバタフライなど個人4種目を泳ぐ。(増田啓佑)