塗装の傷みが激しいSL「D51 745」=みなかみ町の水上駅SL転車台広場
風雪で傷んだ古い機関車をよみがえらせようと、みなかみ町や町観光協会などが「SLみなかみプロジェクト」を立ち上げ、ネットを通じて寄付(ふるさと納税)を募っている。第1目標として、JR水上駅隣のSL転車台広場に展示保存されている「D51 745」の補修費用200万円を目標に掲げたところ、すでに3分の1が集まった。
このD51は戦時中に名古屋で製造され、東北線や信越線などで活躍したあと1970年に廃車になった。JRの所有物として旧高崎鉄道管理局前などで展示され、6年前から転車台広場に移されて町が管理してきたが、厳しい風雪で塗装の傷みが急速に進み、鉄道ファンから惜しむ声が出ていた。
昨年3月にプロジェクトを立ち上げて対応策を検討。総額1千万円をかけ、D51の塗り替え(約200万円)や、町内の道の駅「水紀行館」で展示している電気機関車「EF16」の補修(同)などを進めることにした。財源は400万円までを町が補助。残りは、鉄道ファンの思いを生かしたいと、寄付でまかなうことにした。
寄付の仕組みは、ふるさと納税総合サイト「ふるさとチョイス」を企画運営するトラストバンク(東京)が始めた「ガバメントクラウドファンディング」を利用している。返礼品でなく、寄付金の使用目的に重点を置いたふるさと納税で、税金控除の対象となる。寄付者には金額によって鉄道雑誌の購読権などがプレゼントされるという。
募集は今月1日から始まっており、8月末までの2カ月間。第1目標のD51塗り替えで目標が達成された場合は、第2目標の「EF16」の修繕にあてられる。町からの補助金もあるため、寄付金が集まらない場合も事業は一定程度、実施される。
「ふるさとチョイス」の同プロジェクトのページ(
https://www.furusato-tax.jp/gcf/160
)には、日本の蒸気機関車の代名詞ともなったD51(デゴイチ)の雄姿復活に期待するファンらの熱い言葉が並んでいる。(井上実于)