球場には朝から大勢の人が詰めかけた=29日午前7時40分、大阪市此花区の大阪シティ信用金庫スタジアム
今春の選抜大会で優勝した大阪桐蔭と準優勝の履正社が29日、大阪大会準決勝で再び相まみえる。両者の対戦は選抜の決勝以来。ライバル校の対決を一目見ようと、大阪市此花区の大阪シティ信用金庫スタジアム(舞洲球場)には朝から大勢の観客が詰めかけた。
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試合は第2試合、午後0時10分からの予定だが、朝からファンが列を作った。混雑を避けるため、午前7時半に予定より1時間半早く開門。午前10時15分すぎには、普段は使わない外野席が開放された。大阪府高野連の試合で同球場の外野席が開放されるのは、2年前に両校が2回戦で対戦したとき以来だ。
和歌山市の専門学校3年の若林愛さん(21)は、午前3時過ぎに球場に到着。友人と3人でバックネット裏の席を確保した。「選抜の決勝が大阪大会の準決勝だなんて、複雑。今回はどっちが勝つのか見届けたい」と話した。
広島県福山市の小学4年尾形大翔君(9)は履正社のファン。「安田君のホームランがみたい。すごい選手がいっぱいいて楽しみ」と目を輝かせた。
第1試合の選手たちの保護者は席の確保が死活問題だ。大冠の保護者の市原悟さん(43)は、午前1時に到着し、球場で夜を明かした。「息子の学校のベスト4の試合を見届けられないのは最悪。今日は入れないと困ります」と話した。
選抜を制した大阪桐蔭は春の府予選、近畿大会も制し、公式戦22連勝中だ。だが、過去2年は大阪大会準決勝の舞台には進めなかった。今大会は6人の投手が登板し、準々決勝では4点差を逆転する底力を見せ、3年ぶり9回目の甲子園出場を目指す。
一方、昨夏の大阪大会で優勝した履正社は、2年連続4回目の大阪の頂を目指す。選抜準優勝後の春の府予選は5回戦で惜敗したものの、今大会は6試合で本塁打8本の長打力を誇り、計66得点と他を圧倒。全試合コールド勝ちで、好調を維持している。
「倒さないと甲子園に行けない相手」。両校の監督が同じ言葉で互いを表現し、選手たちは互いに意識してきた。
大阪桐蔭の西谷浩一監督(47)は「選抜で勝ったときから、自分たちで倒すしかないと思ってきた。決着をつけたい」と話す。福井章吾主将(3年)も「絶対に負けられない戦い。こわさもあるけど、しっかり声を出して恐怖を打ち消したい」と気合を入れる。
選抜の雪辱を誓う履正社の岡田龍生監督(56)は「向こうの方が実力は上。攻める気持ちでやるしかない」。今大会の強打者で高校通算本塁打62本の安田尚憲選手(3年)は「春に負けているのでリベンジしたい。今のチーム状態なら必ず勝てると思う」と闘志をみなぎらせる。(半田尚子)