(5日、ソフトバンク8―7西武)
激闘に終止符を打つ打球が、中堅方向へと抜けていった。十回2死三塁。ソフトバンクの松田が、西武・増田の154キロの速球に食らいついた。「(西武の)連勝の勢いを肌で感じた。追いつかれて、負けて終わるのでは全然違う。今日の勝ちは大きい」。背番号3は安堵(あんど)の表情を浮かべた。
中盤までは楽勝ムードが漂ったが、13連勝と波に乗る西武打線の驚異の粘りを受けた。八回、セットアッパーの岩崎が浅村に2ランを浴びる。4点リードで迎えた九回は、嘉弥真が連打と四球で無死満塁のピンチを招き、たまらず守護神サファテを投入。だが、その切り札も浅村、山川にそれぞれ左前に2点適時打を運ばれ、ついに同点に。最大6点差を追いつかれ、サヨナラ負け寸前となった。
「大型連勝を止めるのはホークスしかいない」。試合前のミーティングで、選手たちは気持ちを一つにしていた。あきらめず、同点で食い止め、相手に傾きかけた流れを引き戻した。
直後の十回、先頭の上林が二塁打。今宮も初球にきっちり犠打を決めてお膳立てし、松田の決勝打につなげた。
追いすがる西武を振り切り、首位を死守した。工藤監督は開口一番、「すごいゲームだったね」と胸をなで下ろした。9連戦の最終日となる6日の試合に向け、「今日のような試合はしたくない。良い勝ち方をして9連戦の最後を飾りたい」。首位の底力を改めて示す気構えだ。(甲斐弘史)