約598億円の年金加算金支給漏れ問題で、加藤勝信厚生労働相は29日の閣議後会見で関係者の同日付の処分を発表した。日本年金機構は水島藤一郎理事長ら計5人を注意などとし、厚労省は木下賢志年金局長ら計5人を口頭での厳重注意とした。
年金支給漏れで対策チーム設置 厚労省「年内に調査終了」
加藤厚労相は機構関係者の処分理由として「支払われるべき年金が適正に支払われておらず、年金受給者の皆さんにご迷惑をおかけした」とし、厚労省関係者は「年金に対する信頼を揺るがした」などとした。
年金機構で注意処分となったのは水島氏と清水美智夫副理事長、大沢範恭理事の計3人。いずれも月額報酬の10分の1を2カ月間辞退する。ほかに幹部職員2人を訓告とした。厚労省側でほかに処分されたのは前年金局長の鈴木俊彦保険局長、高橋俊之・年金管理審議官(年管審)、前年管審の伊原和人官房審議官、元年管審の樽見英樹官房長。退職者は処分の対象外とした。
加藤厚労相は関係者の処分を9月中に行う考えを明らかにしていた。