沖縄のブルペンで力投する木下雄介
中日は23日、育成選手の木下雄介投手(24)を支配下登録したと発表した。背番号は98。一時は野球から離れ、不動産会社員や運送業の日雇いアルバイトなどで生計を立てていたという異色の右腕は「これからがスタート。気を引き締めて頑張りたい」と話した。
大阪市出身。生光学園高(徳島)から駒大に進んだがひじの故障もあって中退。一時は会社勤めなど完全に野球から離れた生活を送った。それでも、プロへの夢を諦めきれず、四国IL徳島に入団し、力をつけた。2016年秋の育成ドラフト1位で中日入りした。
150キロを越える直球で押す投球が持ち味。入団1年目は、妻子を大阪に残し、名古屋で寮生活を送って野球に打ち込んだ。昨年12月にやっと親子3人で名古屋で暮らし始めたという。2日前に球団から「契約するから頑張って」と伝えられた木下雄は早速、妻に電話した。「電話口で叫んでいました」と笑う。
「妻、妻のご両親、そして自分の父母に感謝したい。子どもが出来たのに野球をやらせてもらったのが大きかった」
ここまで、オープン戦4試合で計5回1失点と好投していたが、支配下登録された23日のロッテ戦は1回を投げ、満塁本塁打を含む5安打5失点と炎上。「力みすぎた」と悔やむ木下雄に、森監督は「苦い経験を乗り越え、次に生かして欲しい」と、今後の成長に期待を込めた。
クローザーが目標という24歳。まずは開幕1軍、そして30試合登板を目指す。(鷹見正之)