団員不足で昨年夏に休部した姫路工(兵庫県姫路市)の応援団が復活を遂げた。23日にウインク球場(同)であった西兵庫大会準々決勝の三田西陵(同県三田市)戦では、学ランに白い鉢巻き姿の応援団長がスタンドで応援を盛り上げた。
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「フレー!フレー!姫工!」。照りつける日差しの中、団長の牛尾蒼海(あおみ)さん(2年)の声が響き渡る。野球部の甲子園出場は春夏5回。ただ、応援団は昨夏を最後に3年生4人が引退し、団員が牛尾さんだけに。20年以上の歴史がある応援団だが、事実上活動できなくなった。そんな頃、元柔道部員の諸頭拓弥(もろとたくみ)君(3年)は「応援団がなくなった」と聞き、心穏やかではない思いをしていた。1年の時、応援団に勧誘されたことがあったからだ。
昨年末、諸頭君は改めて牛尾さんから「入ってくれんか」と誘われ、入団を決意。今年4月、活動再開にこぎつけた。23日は資格取得に必要な講習のため参加できなかったが、ここまでの4試合は全て牛尾さんとともに声を張り上げた。
暑さ対策のため、姫路工の保護者会は今夏、園芸用の噴霧器3台を購入。4リットルのタンクに氷水を入れて野球部員が担ぎ、イニングの間にスタンドで応援する生徒らに「ミストシャワー」をかけて回っている。
試合は姫路工が8―1でコールド勝ちし、4強進出を決めた。牛尾さんは「暑いけど、選手たちも頑張っていて、応援しているけど応援されている気持ち。少しでも力になれたら」と言葉に力を込めた。(森直由)