(18日、高校野球 済美3―2報徳学園)
18日締め切り! 夏の甲子園、歴代最高の試合は? 投票ベストゲーム
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この夏、報徳学園の村田琉晟(りゅうせい)外野手はラッキーボーイと言われた。チームのためになるのなら、何と言われようと構わない。ただ、ひそかに思っている。「偶然なんかじゃない」って。
1桁の背番号をもらったことはなかった。「14」で臨んだ東兵庫大会、初戦で4打数2安打。波にのった。6試合全て先発出場し、打率3割、バントもきっちり。準決勝の神戸国際大付戦は、内野ゴロが相手失策を誘って競り勝った。「もってるな」と、もてはやされ、甲子園で背番号「7」をつかんだ。
身長169センチ。部員100人超の報徳は、体格もセンスも、人並み以上の選手がゴロゴロいる。そんな世界で、自分にできるのは、誰でもできることを、誰にもできないくらい続けることだった。
毎朝素振りをした。午前6時には寮を出て、グラウンド脇の鏡の前で、独り。雨の日も、真冬も。体がしんどい日や、眠気に負けそうな日もあったけど、一度決めたことだから、続けた。甲子園入り後も、練習後、帰りのバスまでのわずかな時間に必ず振った。
グラウンドの外でも、やれることは全てやった。ゴミが目にとまったら必ず拾い、トイレのスリッパを直し、試合前日には必ずうどんを食べて験担ぎもした。
そうやって、やっと来られた甲子園。大会注目の1番打者・小園に続く2番として、全試合スタメン出場。小さな努力の積み重ねは、甲子園でも揺るがない自信になった。「負けたのに、すごく誇らしかった」(高岡佐也子)