2020年東京五輪開幕までちょうど2年となった24日、陸上の短距離で活躍が期待される2人のスプリンターが決意を新たにした。リオデジャネイロ五輪男子400メートルリレー銀メダルの桐生祥秀(22)=日本生命=と、飯塚翔太(27)=ミズノ=。この日、欧州遠征から帰国した羽田空港で、改めて目標を報道陣に語った。
昨年9月に日本人初の9秒台(9秒98)をマークした桐生は2年後の東京五輪を見据え、400メートルリレーの金メダルと、男子100メートルの決勝進出を目標に掲げた。100メートルで日本勢が決勝に残れば、1932年ロサンゼルス五輪6位で「暁の超特急」と呼ばれた故吉岡隆徳さん以来となる。
6月の日本選手権(山口)では3位に敗れた。記録も平凡な10秒16。8月18日開幕のアジア大会(ジャカルタ)では、100メートルに出場する権利を得られず、リレーのみの出場になる。
悔しさも残るが、欧州遠征中にはスイスでシーズンベストの10秒10を出すなど、手応えも感じた。「安定して9秒台を出したい。感覚としては、5本に1本とかですかね」
男子200メートルでアジア大会代表の飯塚も、2年後の目標は桐生と同じだ。「リレーで金メダル、個人で決勝に残って戦う。そこを成し遂げたい」と力強く言い切った。
16年リオ五輪から2年、達成感はあまりないという。200メートルでは昨年の世界選手権(ロンドン)で準決勝進出。今年の日本選手権では、桐生を抑えて優勝を果たしたが、「(達成度は)60%ぐらい。個人的に悔しい気持ちの方が大きい」。
欧州遠征では、200メートルの加速でいい感触をつかんだようで、アジア大会に向けて「いい弾みがついた」と笑みもみせた。「前半のスピード感を出せればいい。アジア大会で一気にタイムを縮めたい」。アジア大会を東京五輪へのステップにしたい考えだ。(遠田寛生)