ロシアのプーチン大統領は27日、南アフリカのヨハネスブルクで開かれた中国やインド、ブラジルなどとの新興5カ国(BRICS)首脳会議後の記者会見で、米国のトランプ大統領を首脳会談のためモスクワに招いたことを明らかにした。ロシア大統領府がホームページに記者とのやりとりを載せた。
プーチン氏は「私は首脳会談の用意がある。トランプ大統領をモスクワに招く用意もある。すでにこの招待を彼に伝えた」と述べた。次の米ロ首脳会談をめぐっては、今月16日にヘルシンキで行われた会談後、トランプ氏がプーチン氏を秋にワシントンに招く考えを表明していた。しかし、トランプ氏のロシア寄りの姿勢に批判が集まり、ホワイトハウスは25日、会談を来年以降に延期することを発表した経緯がある。
プーチン氏はトランプ氏について、「長所は有権者への約束を実現しようとすることだ」と述べ、トランプ氏が2016年大統領選で掲げた米ロ関係の改善について評価。軍縮やシリア問題、米国のイラン核合意からの離脱について話し合う必要性を強調した。一方で、国際会議の場以外での会談について「相応な条件が整うことが必要だ」とも述べ、すぐに実現することは難しいとの考えもにじませた。(モスクワ=喜田尚)