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大阪桐蔭、控え3選手で大きな1点 突然の指名に動じず

第100回全国高校野球選手権記念大会で、大阪桐蔭(北大阪)は大会第14日の18日、準々決勝第1試合で浦和学院(南埼玉)と対戦。4本塁打を含む12安打を放ち、11―2で快勝した。準決勝は大会第15日の20日、第2試合(午後0時半開始予定)で済美(愛媛)と対戦する。史上初の2度目の春夏連覇まで、あと2勝。


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突然の指名、応えた


普段は陰でチームを支える3人が、試合の流れを大きく引き寄せた。


六回表1死二塁。相手が左腕に継投した直後、代打に送られたのは、ブルペン捕手で右打ちの好打者、飯田光希君(3年)だ。捕手用防具をつけた状態での突然の指名だったが、「いつもこんな感じなんで」。冷静に球筋を見極めて、死球で出塁した。


その様子を見ていた一塁コーチの奥田一聖(いっせい)君(同)は「必ず自分の出番が回ってくる」と確信していた。小学生の頃から磨いてきた走塁技術が光る代走の切り札。次打者が3ボール1ストライクとなったタイミングで一塁走者の飯田君の代走に出された。カウント途中での代走は初めてだったが、「心の準備はできていた。よっしゃ行ったるぞ、という気持ちでした」。


打者が四球となり、満塁。奥田君は二塁へ。「この場面で牽制(けんせい)はない」と大きくリードを取り、直後の打者が低い打球を左前にはじき返した瞬間、全速力でスタートを切った。


最後の仕上げは三塁コーチの俵藤夏冴(なさ)君(同)だ。三塁走者に続き、二塁走者も本塁に突入させるか難しい判断だったが、相手の左翼手はこの回に投手から守備位置をかわったばかり。「初めての打球処理に手間取るはず」と読んだ。奥田君の視界に入るよう全力で両腕を回すと、奥田君もトップスピードで三塁を駆け抜ける。読み通り左翼からの返球がそれると、奥田君は捕手のタッチをかいくぐり生還を果たした。


控え選手を中心につかんだ大きな5点目。奥田君が「同じ走塁コーチの俵藤との信頼関係があったから走り切れた」と話せば、俵藤君は「自分たちはワンチャンスで勝負しないといけない立場。それぞれいい判断ができた」。


力のある控え選手が集中力を保ち、出番が回ってくれば自分の役割を確実にやり遂げる。それができるからこそ、大阪桐蔭は強い。(遠藤隆史)


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