（２０日、アジア大会第３日）

負けを受け入れられなかった。ジャカルタ・アジア大会レスリング女子６２キロ級の川井梨紗子がモンゴル選手との準決勝でフォール負け。マットから見上げた天井がみるみるにじんだ。

昨年の世界選手権６３キロ級王者との対戦。第２ピリオド開始４７秒、足を取られ、尻餅をついたところで抑え込まれた。「１秒でも気をそらした自分が悪い」と唇をかみしめた。

女子レスリング界を引っ張らなければ、という重圧がのしかかっていた。

２０１６年リオデジャネイロ五輪６３キロ級で優勝。ここ３年負け知らずだった。吉田沙保里と伊調馨が第一線を離れる今、「頼りがいのある先輩がいなくなり、自分が優勝しないと」。また、母校・至学館大は前指導者によるパワハラ騒動に揺れた。「後輩が大変な中やっている。至学館の強さを出さないといけなかった。自分の器がまだ小さかった」。銅メダルは獲得したが、笑顔はなかった。

２年後の東京五輪に妹・友香子…