野球の第12回U18(18歳以下)アジア選手権(宮崎市、3日開幕)に出場する高校日本代表にとって、最後のピースがそろった。今夏の全国選手権で準優勝した金足農の吉田輝星(こうせい)だ。
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招集日の8月25日から5日間、甲子園での疲れをとるために1人だけ別メニューで調整を続けた。31日にあった宮崎県高校選抜との壮行試合。大会前最後の実戦で、ようやく代表初登板を果たした。
九回に甲子園決勝以来となるマウンドへ。「チームに迷惑をかけてきたので、しっかり投げたかった」と腕を振ると、直球は最速149キロをマーク。3人で試合を締め、わずか11球で味方を納得させた。
昨夏も代表で主力だった藤原恭大(きょうた、大阪桐蔭)は、改めて舌を巻いた。「甲子園でも対戦して直球のすごさは分かっているけど、センターから見た直球は、今までの投手の中で一番」。捕手の小泉航平(大阪桐蔭)も「もっと長いイニングを受けたい」と語る。
試合後の永田裕治監督の「めどはたった」という言葉は、吉田個人の状態だけでなくチームの完成度も指すのだろう。仲間の多くが「フレンドリーでムードメーカー」と語る精神的な柱でもある。快進撃を見せた甲子園と同じように、吉田は代表でも輝きを放っている。(小俣勇貴)