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立ちはだかる「大阪桐蔭」 エースは勝っても唇かんだ

作者:佚名  来源:本站原创   更新:2019-7-12 10:51:45  点击:  切换到繁體中文

 

「記念大会は強いね」。近大付の朝原成貴主将(3年)は、昨夏の南大阪大会決勝後に聞こえてきた何げない言葉を、今でも覚えている。ボールボーイとしてグラウンドにいたが、言い返したい気持ちをぐっとのみ込んで、先輩たちの甲子園出場を祝った。


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近大付はかつて、大阪の「私学7強」の一つに数えられた。選抜大会での優勝経験もある。だが、大阪大会を制したのは1993年が最後。10年おきに南北で分割される記念大会では、2008年と18年に南大阪代表として甲子園に出場。大阪大会の優勝旗は四半世紀以上手にしていない。


99年からチームを指導する藤本博国監督(49)は「大阪桐蔭が台頭し、みんなが『打倒桐蔭』を掲げて大阪の高校野球のレベルが上がった」と話す。一方で「大阪で8回、甲子園で6回勝てば日本一。大阪桐蔭はそのための道筋や経験を持っている。うちには、その蓄積がなかった」。南大阪代表として臨んだ甲子園は2度とも初戦敗退。両大会で全国制覇したのは北大阪代表の大阪桐蔭だった。


昨夏の甲子園、ボールボーイをしていた朝原君には、先輩たちの姿がまぶしく見えた。でも、春夏連覇を達成した大阪桐蔭の輝きは圧倒的だった。うらやましくて、悔しかった。


新チームが始動して早々、藤本監督に声をかけられた。「主将で捕手、やらんか」。元々は三塁手。捕手は一度も経験したことがなかったが、チーム事情によるコンバートの打診だった。


一番好きなのは打撃だ。1年生の頃から毎日、全体練習後は窓に映る自分の姿を見て、納得がいくまでバットを振ってきた。自分たちの代では打撃で貢献すると決めていた。でも、守りの要となれば、打撃ばかりに集中できない。迷ったものの、頭をよぎったのは「記念大会は強い」と笑われた、あの一言だった。朝原君は決断した。「捕手、やります」


しかし、本塁からの送球は二塁まで届かず、ワンバウンドの球が捕れない。守備練習の時間が増え、寮でもプロ選手の動画を繰り返し見ては、送球までのステップや球の握り返しを学んだ。素振りをする余裕はなくなった。急造捕手として臨んだ秋は府予選4回戦で大阪桐蔭に負けた。「まだだ。夏までまだ時間はある」。一度もバットを振らない日が増えた。


主将の練習への姿勢に仲間も刺激を受けた。エース梅元直哉君(3年)は、昨夏もベンチ入りしている。「去年の先輩捕手はすごく上手だった。でも、朝原も負けないくらい信頼できる心強い捕手になってくれた。僕も、負けられないと思った」。課題のスタミナ不足を克服しようと、冬は徹底的に走り込んだ。


そして迎えた春。近畿大会府予選5回戦で大阪桐蔭と対戦。公式戦で27年間勝てなかった相手を6―1で下した。一冬越しの努力が実った。だが、梅元君はその試合を思い返して唇をかんだ。終盤ピンチを切り抜けたが「大阪桐蔭らしくなかった。いつもはあんなに簡単にフライはあげない。勝った気がしない」。朝原君も「夏には、もっと強い大阪桐蔭がいるはず」と気を引き締める。記念大会でなくても強さを見せつけたい。朝原君はまた、毎日バットを振り始めた。(山田健悟)



 

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