高校野球の春季北信越地区大会は2日、2回戦が富山市民球場などであり、富山第一(富山2位)が福井工大福井(福井1位)を5―2で下した。
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わずか5球の先制劇だった。試合開始から3球目。富山第一の1番波岡和哉(3年)が鋭いスイングで中前に運ぶ。続く本郷凌羽(りょう、3年)は2球目を振り抜き、中堅左への適時三塁打に。いずれもファーストスイングで仕留めた。
打線は勢いづき、後続も2本の適時打を放って3得点。主導権を握った。「『俺たちで投手を助けてやろう』と野手陣にスイッチが入っていた」と黒田学監督。この高い集中力は、春の県大会での痛い敗戦から生まれた。
決勝の高岡第一戦。7点リードの七回から逆転を許し、7―8で敗れた。監督は「選手は7点差で勝ったと感じていたと思う。それが負けの始まり。秋は富山で優勝したが、本当の勝負の怖さを分かっていなかった」と振り返る。
勝負の厳しさを痛感した選手たちの目の色は変わった。この日の勝利にも、浮つかない。二回にも適時三塁打を放った主将の本郷が言う。「(三回に)投手が代わってから打てなかった。県大会の逆転負けがあったから、『まだ足りんぞ』と言ってたのに……。次の試合への課題です」。簡単に満足はしない。(小俣勇貴)