2020年東京五輪の追加競技になったスポーツクライミング世界選手権が6日にオーストリア・インスブルックで開幕し、女子リード予選で日本勢3人がいずれも上位26人による8日の準決勝に進んだ。この種目に2大会ぶり出場の野口啓代(TEAM au)が全体の5位タイ、野中生萌(同)、小武芽生(エスエスケイフーズ)はともに11位タイだった。
「調子、上がってくる」
野口は課題を二つとも完登できなかった。苦笑しながら、「予選にしては難しくて……」。
状態は決して万全ではなかったという。「連戦で、まだベストコンディションではないんです」。実際、11日前にインドネシアであったアジア大会で優勝を飾ったばかり。さらにその8日前には、ドイツでボルダリングのワールドカップ今季最終戦を戦っている。
タフな日程の中でも着実に高度を稼ぎ、日本勢最高の5位タイで予選を突破し、ベテランの貫禄がにじんだ。世界選手権は11日間の長丁場。小さく笑って、「調子はどんどん上がってくると思いますよ」。
今大会は自身初めてボルダリング、リード、スピードの全てにエントリーしている。3種目複合で争う東京五輪を見据えた戦いでもある。「本当に盛りだくさんという印象ですね」。29歳の挑戦が始まった。