スポーツクライミングの世界選手権は16日、オーストリア・インスブルックで東京五輪の実施種目である「複合」の決勝が行われた。優勝候補の日本勢は表彰台すら届かず、男子は原田海(神奈川大)の4位が最高で、楢崎智亜(TEAM au)が5位、藤井快(こころ、同)が6位。女子も野口啓代(あきよ、同)が4位、野中生萌(みほう、同)が5位だった。スピード、ボルダリング、リードの3種目の総合成績で争う複合が世界大会で行われたのは、今回が初。
自滅のフライングだった。複合の第1種目「スピード」でつまずき、優勝候補だったはずの日本勢は男女とも表彰台を逃した。
象徴は男子のエース楢崎智亜だ。スピードの持ちタイムは出場6選手で最速。「8割のタイムでも勝てた」と本人が語る通り、全く冒険する必要のない状況だった。にもかかわらず、フライングで痛恨の最下位発進。女子の2トップである野口、野中も冷静さを欠き、同じミスで流れを自ら手放した。
第2種目の「ボルダリング」ま…