オーダーメイドの紳士服をめぐる競争が、激しくなっている。きっかけは、ネット通販ゾゾの今夏の参入だ。しにせはリアル店舗の強みを生かして、対抗しようとしている。
「完全オーダーメイドのスーツを家で注文できる。いかがですか」。7月、前沢友作社長が新サービスを発表すると、会場から拍手が起きた。
無料で配るボディースーツで採寸し、ぴったりの一着を作る。生地やボタン、裏地の色なども選べる。製造から販売まで手掛ける自主企画ブランド(PB)のフルオーダースーツを、ワイシャツとセットで販売。価格は税込み2万4800円だ。
「ゾゾの参入で市場は厳しくなっているが、オーダーメイドへの世間の関心は高まった。一緒に盛り上げ、新たなお客を獲得していきたい」
AOKIホールディングスの青木彰宏社長は4日、新戦略の発表会で力を込めた。
AOKIのオーダーメイドでは、全国全570のリアル店舗でスタイリストがコーディネートを助言する。16種類の型をベースに好みの生地やボタンなどを選んでもらう。仕上がりまで3週間ほどかかるが、着た時のイメージは、タブレット端末で事前に確認できる。一度、店で採寸した人なら自宅から注文を受け付けるサービスも、来年1月から実施予定だ。
販売価格は1着税抜き3万8千円からで、2着買うと4万8千円から。基本型が決まったパターンオーダーを採用することで、20~30歳代に手の届きやすい価格にした。
矢野経済研究所などによると、…