今年2月の東京マラソンで2時間6分11秒の日本記録を樹立した設楽悠太(ホンダ)が、けがを乗り越えて競技会に戻ってきた。今後は駅伝やロードレースに意欲を燃やしている。
9月29日、復帰戦となった世田谷記録会の5000メートルでは実力者の集まる最終組に入り、日本選手トップの4位。タイムは13分51秒79だった。久しぶりの実戦に「上出来です。目標は14分10秒くらいでしたから想定以上の走りができました」と満足そうだった。
翌日には東京都内で子供たちに走り方を教えるイベントに、恩師の酒井俊幸・東洋大監督らとともに参加した。「子供たちから元気をもらった。今度はみんなに感動を与える走りをしたい」と気持ちを新たにしていた。
東京マラソンでの激走後、右足すねの疲労骨折が判明した。「3、4、5月は友達と遊んでましたね」と苦笑い。出場を断念した9月のベルリン・マラソンで、エリウド・キプチョゲ(ケニア)が2時間1分39秒の驚異的な世界記録を出した。「キプチョゲは、誰も届かないところに行ってしまった。それでも追いかけないといけない。正直、厳しいと思うが少しずつ差を縮められたらいい」
11月3日の東日本実業団対抗駅伝、同18日の上尾シティハーフマラソンに出場の予定。年内のフルマラソンも視野に入れている。「今は足の不安もなく順調に来ている。やる気もわいてきた。応援してくれる人のためにも情けない走りはできない。次のマラソンでは最低でも2時間7分台で走りたい」と話している。(堀川貴弘)