国際陸上競技連盟(IAAF)は4日、モナコで理事会を開き、国家ぐるみのドーピング問題で2015年11月から資格停止中のロシア陸連の処分継続を決めた。20年東京五輪でロシアの陸上選手がロシア選手団の一員として参加できない可能性が依然残る状態だ。
ロシアの改善状況を調べている作業部会のルネ・アンデルセン氏は処分解除の条件として、①モスクワ検査所に保管されているデータの提供②作業部会の調査に要した経費、スポーツ仲裁裁判所(CAS)への訴訟費用などの支払い(今年6月までで270万ユーロ=約3億4800万円)――の2点を挙げた。
当初は、組織ぐるみの違反を認定した世界反ドーピング機関(WADA)の調査チームの報告書をロシア側が公式に認めることが資格回復の条件に含まれていた。この点は、WADAが今年9月、年内のモスクワ検査所への立ち入り許可と、保管されている検体やデータの提供などを条件に、ロシア反ドーピング機関(RUSADA)の資格回復を認めたことで、すでに決着済みとした。
ロシアは16年リオデジャネイロ五輪では「潔白」と認められた選手のみの参加が許され、17年世界選手権では個人資格での参加しか認められなかった。(稲垣康介)