(2日、箱根駅伝)
神奈川大の主将・山藤篤司(4年、愛知高)は、3年連続で1区で起用された。目立ちたがり屋で「テレビに一番映りやすいから1区が好き。最後なので区間賞を狙う」と意気込むが、一つ悩みがある。
特集:箱根駅伝2019
2年時は区間5位、3年時は6位。周囲から「1区のスペシャリスト」と呼ばれるようになった。ただ、身長158センチ、体重47キロと小柄で「1区だと最初は集団で走るんですが、真ん中や後ろの方だと隠れてしまうんです」。過去2年は終盤にスパートをかけて抜け出し、目立ちたかったが、「失敗して先輩に迷惑をかけるのが怖かった」と無難な走りに徹したという。
4年生、しかも主将として挑む今回は、そうはいかない。「集団を引っ張るつもりで走って、ラスト5キロくらいで前に出て勝負をかけたい」。そして、にやりと笑って言った。「そうすればテレビにたくさん映りますよね?」
小学4年から中学3年までは野球部に入っていたが、補欠だった。「試合では一塁コーチばかり」。高校で陸上と出会い、その魅力にひかれていったという。「体が小さくても努力すれば勝てる。最後の箱根でもやれるところを見せたい」。チームは節目の50回目の箱根出場。最高の流れをチームにもたらすつもりだったが、15番手でのたすきリレーとなった。(山口裕起)