(3日、箱根駅伝)
5年ぶりの総合優勝をめざす東洋大は2日の往路を制し、2位の東海大と1分14秒差、6位の青学大とは5分30秒差で復路の6区をスタート。昨年は往路を制しながら、6区で青学大に逆転された。その時に抜かれた今西駿介(3年、宮崎・小林高)が今年も6区を走り、トップでたすきをつないだ。
特集:箱根駅伝2019
悔しいシーンは、鮮明に覚えている。2位の青学大に36秒差をつけてスタートしたが、14キロ過ぎで小野田勇次(4年、愛知・豊川高)に逆転を許した。「足音が近づいてきたと思ったら一気に抜かれて。まったくついて行けなかった」。レース直後のテレビ中継では「(小野田は)人間じゃねえ」とコメントし、話題にもなった。
あれから1年。悔しさをバネに進化した。「攻めの走りができるようになった」と、チーム内の練習から先頭を走ることを意識。今季は出雲駅伝5区で区間賞、全日本大学駅伝3区では4位と安定感が増した。酒井俊幸監督も「この1年で頼もしい選手に成長してくれた」と太鼓判を押す。
憧れの先輩の活躍も刺激になっている。12月の福岡国際マラソンでOBの服部勇馬(トヨタ自動車)が優勝。同じ治療院に通っていて、普段からアドバイスをもらう間柄だった。昨年4月に手に入れていた服部の連絡先。「おめでとうございます」とLINEを送ると、「次はお前がやってくれよ」と返ってきたという。「恐縮というか、おそれ多い。でも、その期待に応えないといけない」
「昨年の自分よりもひと回り強くなっている。今度は自分が人間を超えるような走りをして優勝したい」とリベンジを誓う。