(3日、箱根駅伝)
87回も続いていた箱根駅伝への連続出場が途切れ、中大の1年生主将として絶叫してから2年余。中大の舟津彰馬(3年)が6区に登場。12位でスタートし、13位でたすきを渡した。マラソン日本記録保持者、大迫傑(ナイキ・オレゴンプロジェクト)とも一緒に練習し、刺激をもらっての力走だった。
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2016年10月。10位までが本戦に進める箱根の予選会で中大は11位だった。88回連続出場が消えた。当時、1年生ながら主将を任せられていた舟津は、直後の報告会で絶叫した。「本当に申し訳ありません。でも自分たちはやれると思いながら、やってきました。もし先輩方に文句を言うような人がいたら、自分が受けて立ちます。自分にすべてをぶつけてください」
このシーンはテレビで何度も放映され、舟津は有名人になった。だが本人は冷静だ。「結果的にチームは負けましたし、美化されるものでもない。過去よりも今のチームや自分を見てください」
3年生になった今季、主将を外れた。「弱さを含め、自分の競技と向き合える時間が増えた」。藤原正和監督の勧めもあり、2月から約3カ月間、米オレゴン州に単身武者修行。4月には1500メートルで日本歴代5位となる3分38秒65の好記録をマークした。
オレゴン州を拠点に練習する大迫傑と一緒に走る機会もあった。近くのおいしいラーメン屋さんを紹介してもらうなど、会話自体はたわいのないものだったが、「世界を舞台に戦う大迫さんから大きな刺激を受けました」。
2年生で初の箱根だった昨年は1区を走り、区間12位。ハイペースについていったが、最後に伸びきれず悔しさが残った。「近年の箱根駅伝は区間新記録も多く出て、スピード重視の大会になっている。自分も新しい風を吹かせたい」。1500メートルで培ったスピードを山下りにぶつけた。(平井隆介)