高校球児にとって冬は、力をつけて蓄えるシーズン。それは指導者も同じだ。若手の高校野球指導者を育てる目的で2008年に始まった甲子園塾が、18年も開かれた。 動画もニュースもたっぷり! 「バーチャル高校野球」 各都道府県から1人(北海道、千葉、東京、神奈川、愛知、大阪、兵庫は2人)ずつ、原則として教員歴10年未満の指導者が集まる。講師役を務めるのは、石川・星稜元監督の山下智茂塾長や甲子園出場の経験がある監督だ。 受講経験者が初の講師 11年目を迎えた昨年、初めて受講経験者が講師を務めた。16年の第98回全国選手権を制した栃木・作新学院の小針崇宏監督(35)だ。 「受講生のみなさんと同じ気持ちで、自分が勉強させてもらうという気持ちで来させていただきました」。昨年2度目の甲子園塾が開かれた11月30日。小針監督は27人の受講生の前で少し照れくさそうに自己紹介をした。小針監督は開講2年目となる09年、監督就任3年目で栃木県の代表として参加。当時の塾長だった故・尾藤公さん(和歌山・箕島元監督)や山下さんから指導を受けた一人だった。 「指導者としての基本的な考え方」という講義では、「挑戦力」をテーマにした。10年前に自ら受講した際に記したノートを持参。そのときに書いた将来の目標を紹介した。監督として初めて甲子園に導いたこの年を「勝負の3年目」と位置づけ、「強気の5年目」と決めた11年には甲子園初勝利。「10年目の成長」と設定した16年に全国制覇を果たした。「やはり書いてみることは大事ですね。監督自身のハングリー精神は必要です」と訴えた。 ウォーミングアップに1試合分の時間 また、優勝直前の16年春の取り組みの一部を披露。県内の公式戦や甲子園のデータを集めて「初回に得点が入るのは6割、三回までなら8割」と考え、「初回の攻防が全て」というテーマを設けた。練習試合では一回に全力を出し切ることを意識させ、思い切ってウォーミングアップに1試合分ほどの時間をかけたという。「山下監督から『アイデアマンになれよ』と言われてきた。毎年、変化を怖がらずに勝負していこうと思っています」と語った。 翌日、大阪・太成学院大高であった実技編では、とにかく選手に語りかけた。「そうだ、そうすればバットが出てくる。ほら、出てきた」。「いいスイングになったなぁ、栃木に連れて帰りたいなぁ」。時折、褒め言葉やジョークを交えながら、選手と距離を近づけていく姿は山下さんそっくりだった。同世代の指導者とも、同じ目線で積極的に意見を交わしていた。 教え子が指導する姿を見て、山下さんは「『小針みたいになりたい』『小針を超えたい』と、受講生の目標になってくれたことは、高校球界にとっていいこと。何より、尾藤さんが一番喜んでくれていると思う」と目を細めた。 小針監督は、「9年前(09年)、熱心に指導方法や球児への思いを直接教えてもらったことは、今でも宝物。その機会にこういう立場で来させてもらい、新しい刺激になりました。もう一度、原点に帰って指導力向上を目指したいです」とうれしそうに振り返った。(小俣勇貴) |
作新学院のV監督、采配の秘話を語る 甲子園塾
新闻录入:贯通日本语 责任编辑:贯通日本语
相关文章
九産大九州を追い詰めた秘策「強力打線、お前がハマる」
中京大中京からライバル校へ移籍 享栄監督、初陣の夏
金足農、逆転サヨナラで初戦突破 「全力校歌」を披露
「2番手投手」、ベース抱えて泣いた夏 棚橋弘至さん
武器は「シンプルに遅い球」 裏をかいた5校連合エース
ベンチ外の3年生・女子部員も入場行進 広島大会が開幕
広島・中村奨成、広陵の試合観戦「まだ始まったばかり」
立ちはだかる「大阪桐蔭」 エースは勝っても唇かんだ
「まだ大人の骨ではない」 球速の高速化がはらむリスク
ある日気づいた監督のつぶやき 主将、チーム変える力に
高校野球、3730チームが出場 連合チームは過去最多
松坂と選抜で対戦、プロ投手の言葉 諦めかけた関大一は
4枚並ぶ銀の盾 「今年こそ甲子園」毎日綴った大商大堺
正々堂々と 101回目の夏も変わらぬフェアプレーを
北北海道が開幕、沖縄は2日連続で雨に泣く 高校野球
前年覇者の大阪桐蔭、初戦は東淀川 高校野球大阪大会
行進後の待機は体育座り 高校野球福岡大会、熱中症対策
101回目の夏の高校野球、あす開幕 南北海道と沖縄で
ベースボールに学ぶもの 花巻東・佐々木監督が米国視察
北の大地に「松坂世代」 PL学園OB、大学4強へ導く
49代表決める地方大会22日から 第101回高校野球
集中力光った富山第一、春の逆転負け生かした 高校野球
近江、逆転サヨナラ弾で決勝へ 試合前じゃんけんに勝機
星稜エース奥川、2カ月ぶりでも150キロ 制球も抜群
大阪代表バファローズ高校? 京セラ、まるで夏の甲子園










