女子レスリング吉田沙保里選手の引退表明を受け、日本オリンピック委員会の山下泰裕・選手強化本部長は8日、朝日新聞の取材に「私も柔道で現役を引退した時は重い荷物を下ろして3メートルくらい跳び上がれるような気持ちだった。彼女もあの肩にいろんな物を背負っていたと思う。今度は少し、気を楽に持って、これから打ち込める物を探して欲しい」と話した。
レスリング吉田沙保里が引退を表明 五輪3連覇を達成
「女子レスリングを始め、日本のスポーツ界に多大な貢献をしてくれた。今の日本は夏、冬のいろんなスポーツで女性の躍進が目立つが、それも彼女の先駆者としての活躍があったからかも知れない。本当に大きな存在だった」として、「ここまで世界の舞台で頑張れるのは、並大抵の精神力ではない。勝ち続ける重圧、負けて感じる挫折。彼女の経験は必ずこれからの人生に生きてくる。出来れば、他人が出来ない素晴らしいその経験を、今度は2020年の東京五輪を目指す選手たちに伝えていってもらえたら、ありがたい」と話した。