熊本勢で初の21世紀枠出場が決まった熊本西の霜上幸太郎主将(2年)は「あきらめない気持ちが評価されたと思う」と声を弾ませた。
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39人の選手は、全員が地元中学の軟式野球部出身という県立校。普通科に体育コースがあるが、在籍は1人だけだ。
平日の練習は2時間程度。ノックでアウトにするまでの時間を4秒に設定するなど、一つ一つのプレーに集中して地力をつけた。昨秋の九州大会は初戦で私学を破り、8強入りした。
練習場整備など13の班に分かれて部を運営する。野球普及・地域活性化班もあり、昨年暮れには、こども園を訪ね、ボールとバットを使った遊びで野球に親しんでもらった。野球以前に「社会人のレギュラーになる」のが部の方針だ。
昨年11月、練習試合中に2年生の仲間が首筋に死球を受けて亡くなる事故があった。推薦されていた21世紀枠の辞退も考えたが、選手は話し合いを重ねる中で覚悟を決めた。遺族に「野球の中のこと。誰も恨みません」「前を向いて下さい」と言葉をかけられたといい、横手文彦監督(42)は「支えになりました」。
甲子園は1985年の夏以来。その時は1勝している。霜上主将は「だから自分たちはそれを超えようと決めた。目標は甲子園2勝です」と力を込めた。(隈部康弘)