北九州市は28日、区役所で宿直業務をした嘱託職員の仮眠時間を賃金が発生しない休憩時間とみなし、労働時間に算入していなかったため、2年間で計5300万円の賃金が未払いになっていたと発表した。北九州西労働基準監督署から昨年12月に是正勧告を受けていた。
市によると、労基署の調査で、昨年7~9月に八幡西区役所で宿直勤務をした3人について、時間外や深夜の割増賃金が支払われていないと指摘を受けた。市は、宿直中の8時間の仮眠時間は労働時間とみなしていなかったが、職員は仮眠時間中に市民からの問い合わせがあれば対応しているため、労基署は休憩時間とみなさなかったという。
市がほかの区役所も調べたところ、未払いの職員は計26人にのぼり、労働基準法でさかのぼって請求できる2年分について、当時の最低賃金を元に割り増し分などを算出したという。(井石栄司)