倒れた人を救ったコンビニの店員は、スクール救命士と元看護学科生だった――。路上で倒れた男性の人命救助に貢献したとして、北九州市若松区の市立高校3年舟橋滉輝(こうき)さん(17)と同区の主婦栗原望さん(40)に21日、若松消防署から感謝状が贈られた。2人は男性の妻が駆け込んだコンビニで働いていた。
同署によると、3月14日午後10時すぎ、若松区白山1丁目で70代の男性が倒れて心肺停止状態となり、妻が近くのコンビニに助けを求めた。勤務後に事務所にいた舟橋さんとレジにいた栗原さんが駆けつけ、119番通報。舟橋さんが心臓マッサージをする一方、栗原さんは気道を確保しつつ、男性の妻から聞き取りをし、落ち着かせた。
実は舟橋さんはその2週間前、高校であったスクール救命士の講習を受けたばかり。「緊張で手が震えたけど、講習で反復してやったので押さえる場所や力の入れ方はすぐに思い出せた」。栗原さんは高校の看護学科の卒業生で応急手当てを知っていた。「1人だとパニックだったかもしれないけど2人だったので。舟橋さんの機転のおかげ」
心臓が停止すると3、4分後には体中の酸素がなくなり、脳が死んでしまうと言われる。このとき現場に駆けつけた救急隊員の江口佳菜さん(27)は「初期の対応が大事。舟橋さんの心臓マッサージは基本的なことができていて、言うことがなかった」と話す。
男性は4月に退院し、元の生活…