プロ野球・福岡ソフトバンクホークスの元主砲で、平成唯一の三冠王、松中信彦さん(45)が4月に小学生のハンドボールチームを立ち上げた。全国大会に出場した長男の姿に心を動かされた。メジャーではない競技の底上げに一役買いつつ、自身も指導術を学ぶ。
福岡市中央区にある市立草ケ江小学校の体育館。「キュッ、キュッ」とシューズの音が小気味よく響く。ボールがネットを揺らすと歓声がこだまする。
そのプレーをじっと見つめるのが、松中さんだ。ハンドボールチーム「KINGS」を立ち上げ、代表として運営に携わる。「いけいけ、ドリブル、ドリブル」「ラインに気をつけろ」と、大きな手をたたきながら声を張り上げ、ゴールが決まれば、「よーしっ」と握り拳をつくって喜ぶ。パスが通らなくても、ミスをとがめない。
プロ野球界で活躍してきた松中さんが、ハンドボールの世界に飛び込んだのは、現在高校3年の長男が、中学3年の時にハンドボールの全国大会に出場したことがきっかけだ。
中学に進んだ長男は野球部への…