宇宙航空研究開発機構(JAXA)は22日、探査機「はやぶさ2」が、地球から3・4億キロ離れた小惑星「リュウグウ」への着陸に成功したと発表した。小惑星への着陸は、2005年の初代「はやぶさ」以来。砂や石の採取に成功すれば世界2例目となる。
宇宙へ 苦難と栄光、終わらない旅
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JAXAによると、はやぶさ2は、21日午後1時15分、高度20キロから降下を始めた。高度約500メートルに達した22日午前6時14分、着陸について最終判断した後、はやぶさ2は自動で降下。午前7時48分、着陸後に上昇したことを示すデータを受信した。
はやぶさ2は着陸時、機体下部の筒状の装置(長さ1メートル)から弾丸を撃ち込み、舞い上がった砂や石を採取する計画で、予定通りに弾丸を発射したことを示すデータも確認した。リュウグウの岩石には、水や有機物が含まれているとされ、太陽系の誕生や生命の起源の謎に迫れる可能性がある。
はやぶさ2は、2014年12月の打ち上げ後、太陽の周りを回りながら約30億キロ飛行して、18年6月にリュウグウ付近に到着。着陸は当初、昨年10月だったが、地表の多くが高さ60センチ超の岩で覆われていることがわかり、着陸地点や誘導方法を検討していた。
着陸は今回も含めて7月末までに計3回の予定で、2回目以降は、地表に金属片を撃ち込んで人工クレーターを作り、小惑星内部の試料回収も試みる。地球への帰還は20年末の予定。(石倉徹也)