英国の欧州連合(EU)からの離脱をめぐる一連の採決が、英議会で12~14日にある。今回の審議で3月末の離脱日は延期の方向に進むとの見方が多いが、議論は最後までもつれそうだ。視界不良の状態が長引き、日本と取引する英企業の間には戸惑いが広がる。
「日本の取引先は、離脱の影響を見てから新たな取引を始めたいと言う。先が見えないまま待たされるのは、商売によくない」
ロンドン郊外イッケナムでココナツを使った菓子をつくり、日本に輸出する「ココフィナ」のジェイコブ・タンデルさん(44)はそう話す。
商品にはEUの有機認証のロゴが付く。日本とEUは互いに有機制度の同等性を認めているため、日本で売る際は有機JAS認定を受けてきた。
だが、英国がEUとの合意がないまま抜ける「合意なき離脱」になれば、ロゴは使えず、健康イメージが打ち出せなくなりそうだ。「どうなるのか分からないから、このまま続けるしかない」。日本向けの商品を一新する計画も様子見で、先に進まない。
英中部マックルズフィールドに…