現役引退を表明した、大リーグ、マリナーズのイチローと同じ1973年生まれの45歳。ボート界には6度目の五輪出場を狙う「レジェンド」がいる。武田大作(ダイキ)。近年は体調不良やけがに苦しんでいるが、「おれはまだまだやる気満々」と復活へ意欲を燃やしている。
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「イチロー引退」。21日の夜、そのニュースを見た武田は「結構、ショックだった」。翌日には、今季の世界選手権などに出場する日本代表候補を決める選考レースを控えていた。
イチローとは会ったことはないが、「共感できるものが多い。彼はメジャーな競技ですけど、自分の中で張り合っていたんです」。
武田は96年のアトランタ五輪にシングルスカルで初出場を果たすと、長谷等とのペアで挑んだ2000年のシドニーでは日本人として過去最高の6位入賞。04年アテネでも浦和重とのペアで6位に入り、08年北京、12年ロンドンにも出場を果たした。05年には軽量級シングルスカルで日本人初のW杯優勝も果たしている。
近年は左ひざのケガや体調不良に苦しんだが、昨年から回復し、徐々に追い込んだ練習もできるようになってきた。武田が一つのバロメーターにしている除脂肪体重(体重から脂肪を引いた重量)はロンドン五輪出場時が68・3キロ。一時は65キロ台に落ちたが、今は66・5キロまで戻ってきた。「あと1キロほど増やせば、もっと変わってくる」と考えている。
22日の選考レースでは、予選…