智弁和歌山の前監督・高嶋仁さんが30日、阪神甲子園球場で教え子たちの2回戦を見守った。
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雨の試合はいつも以上に、何が起こるか分かりません。中断をはさんで四回までに7安打で1点だけ。嫌な展開です。五回も3安打でまだ点が入らない。
だけど、9番の綾原創太はくせ者ですよ。昨秋の大会もチーム一の11打点を挙げてます。三遊間をうまく抜いて2点が入って3―0。これで、ひと息つけますね。七回は細川凌平が左中間へうまく打ちました。反対方向を意識した結果が三塁打になりました。
15安打で5点しか入らんかったのは4番の東妻純平に1本出んかったから。力んでいるから、バットのヘッドが出てこない。2安打の3番・黒川史陽も、まだ本調子やない。さらに上にいくには、この2人が本来の打撃を取り戻せるかどうかでしょう。要は気持ち、意識の問題です。
先発の池田陽佑は制球が良かった。雨の試合はストライクを先行させることが肝心です。守る時間をできるだけ短くしたいですからね。打球が野手の正面をついたのも、いいコースに決まっていたから。遊撃手の西川晋太郎がグラウンド状態が万全でない中でも、難しいゴロや送球をうまくさばいて助けました。
弁天様は水の神様なんです。そやから、智弁は雨の試合に強い。負けた記憶がありません。ぼくが監督として甲子園最多勝利となる59勝目をあげた試合も雨でした。第82回選抜大会(2010年)1回戦で高岡商(富山)に6―1で勝った時です。ありがたいことです。(智弁和歌山・前監督)