2000年シドニー五輪の女子マラソンで金メダルを獲得した高橋尚子らを育てた小出義雄氏(79)が指導の一線から退くことになった。小出氏は1日、「今月で80歳になるし、体力も衰えた。指導者としてけじめをつけることにした」と語った。
小出氏が代表を務める佐倉アスリート倶楽部は女子の実業団チームのユニバーサルエンターテインメントから指導業務の委託を請け負っていた。1年ごとの契約更新にあたり、今回、小出氏が指導の一線から引く意向を示し、新年度の契約は結ばない運びとなった。心臓などに持病を持つ小出氏は最近、グラウンドに立つことはなかったが、先月の名古屋ウィメンズマラソンには足を運んでいた。
小出氏はこれまでの指導歴を振り返り、「有森がアトランタ五輪の時に言った『自分をほめてあげたい』まではいかないけれど、自分に満足している」と語った。
小出氏は千葉・佐倉市出身。順大を経て、市船橋高の監督時代の1986年に全国高校駅伝(男子)で優勝。その後、リクルートや積水化学で監督を務め、高橋尚子のほかにもマラソンでは92年バルセロナ五輪銀メダルの有森裕子、97年世界選手権金メダルの鈴木博美らを育てた。