30日にアラブ首長国連邦のメイダン競馬場で行われた競馬のドバイ国際競走のドバイ・ターフ(GⅠ、芝左1800メートル)で、日本でGⅠレース4連勝中だったアーモンドアイ〈牝(めす)4歳、美浦・国枝栄厩舎(きゅうしゃ)〉が優勝した。日本調教馬が海外のGⅠレースで優勝するのは36度目だ。
アーモンドアイが優勝 GⅠドバイ・ターフ競馬
残り300メートル付近でルメール騎手が促すと、アーモンドアイが一気の加速で先頭に躍り出た。追いすがる日本のヴィブロスと英国のロードグリッターズを振り切り、そのまま先頭でゴールイン。日本の年度代表馬が世界デビューを白星で飾った。
「4コーナーを回ったところで外側に出て、勝てると思った。いいパフォーマンスを見せてくれました」と国枝調教師は満足げに語った。
数え上げれば不安はいくつもあった。デビュー8戦目にして初の海外遠征。初めてのナイター。環境の違う場所でいつも通りの実力を発揮できるのかどうか。「アウェーはアウェーだから」(国枝調教師)と様々なリスクを想定していた。
だが、終わってみれば、物おじしない性格で、いくつもの不安を克服し、最高の結果を出した。
ドバイ・ターフは向こう正面の右側奥からスタートして直線を走り、左コーナーを2度回って、再び直線に向かう距離1800メートルの馬蹄(ばてい)形のコースだ。この形状は距離と回り方こそ違うが、凱旋門賞の行われる仏・パリロンシャン競馬場と共通する。仮想・凱旋門賞で勝利した意味は大きい。
「日本の競馬界が長年願ってきた凱旋門賞制覇をなんとか、この馬でかなえたい」。国枝調教師の願いが実現に近づいた。(有吉正徳)