8月に開幕する野球のU18(18歳以下)ワールドカップ(W杯、韓国・機張(キジャン))に向けた高校日本代表(永田裕治監督)による国際大会対策研修合宿は7日、3日間の日程を終えた。
「すごいを超えてる」 大船渡の佐々木が「163キロ」
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合宿を終えて、横浜の左腕、及川(およかわ)雅貴(3年)は「貴重な経験ができた」と振り返った。あの衝撃は、頭から離れていない。最も印象に残ったことを聞くと、「やっぱり163キロです」と即答した。前日、岩手・大船渡の右腕、佐々木朗希(ろうき)(3年)が紅白戦で記録した高校生史上最速の直球だ。その球筋は及川だけでなく、全国から集まった世代トップ選手らの記憶に刻まれた。
佐々木の投球を捕手として受けていた岐阜・中京学院大中京の藤田健斗(3年)は、「『ぎゅううん』って感じでした。捕りにいっても、そこよりさらに伸びるから、ミットの土手に当たる。捕るのが精いっぱいでした」と振り返る。「自分が打ち取られているような感じでした」とも。
プロのスカウトのスピードガンが163キロを計測したボールを打席で見た横浜の内海貴斗(3年)は、「外のボールだったと思うけど、ど真ん中でも振れなかったと思う」と語った。
石川・星稜の捕手山瀬慎之助(3年)も、打席で体感。「『ぎゅるるる』って感じで、うなってました」。普段から最速151キロ右腕の奥川恭伸(やすのぶ)(3年)の直球を受けているが、「奥川も速いけど、回転数が違うんだと思います」と驚くばかり。そして、「世代ナンバーワン」と評されてきた奥川は、「上には上がいる」と語った。
「163キロ」の衝撃が残ったまま迎えた最終日。実戦形式の練習に取り組む仲間をよそに、佐々木は体のケアを中心に黙々とメニューをこなしていった。合宿を淡々と振り返る。「(奥川らから)『すごい』と言われましたけど、それはこっちのセリフなので。自分の実力はまだまだだと思っています」(小俣勇貴)