国際研究チームが、観測結果について発表するブラックホールは、宇宙のはるかかなたにあり、地球に直接の影響はない。ただ地球での加速器実験で小さなブラックホールができる可能性が指摘され、騒ぎになったことがある。
スイス・フランスの国境沿いにある大型円形加速器LHCでは、2008年の運転開始前、極微のブラックホールができることが理論計算で指摘され、「ブラックホールができると、地球や私たちの宇宙まで吸い込まれてしまうのではないか」と心配する声もあがった。
こうした懸念を受け、LHCを開発・運用する欧州合同原子核研究機関(CERN)は、ノーベル物理学賞受賞者らでつくる委員会に「安全審査」を依頼。
委員会がまとめた報告書は「ブラックホールはエネルギーを放射しながら縮んでいく」とする英国のホーキング博士による「ホーキング放射」の理論などにもとづき、「もしブラックホールができても、すぐに消滅してしまう」と結論づけた。
このほか、地球にはLHCでで…