実業団を飛び出し、2年前からプロランナーとしてマラソンに取り組む24歳、岩出玲亜(アンダーアーマー)。強くなりたい一心で選んだ競技環境に手応えを感じながら、2020年東京五輪を見据える。
岩出玲亜、日本人トップ5位 名古屋ウィメンズマラソン
五輪代表選考会である9月のマラソングランドチャンピオンシップ(MGC)に向け、春はトラックでスピードを磨く。描く五輪までの青写真と今を比べて、「けっこういいところにいるんじゃないですか」。日本選手最高の5位だった3月の名古屋ウィメンズは、そんな好感触を確信するマラソンだった。
30キロすぎでアフリカ勢のペースアップに遅れながらも、粘った。成長を示したのは40キロ以降のラスト2・195キロ。7分24秒は優勝選手に次ぐ速さ。「きつかったけど意外と動く、みたいな時間が長く、ゴールまで一回も足が止まらなかった。そういうマラソンは初めてだったのでびっくりした」。MGC出場権獲得に初挑戦した17年11月のさいたま国際では終盤失速。18年3月の名古屋で終盤をまとめて出場権を得て「これからの時間を有意義に使いたい」と話した1年後、自己記録を3年ぶりに更新する2時間23分52秒とさらにレベルを上げた。
コーチのつくる練習メニューを「自分にしか体の状態は分からないから」とアレンジする。「チームだと、立ててもらったメニューを確実にこなすのが当たり前。一人だと自分の流れで進められる」。初マラソンで10代日本最高を出した14年11月の横浜国際は、出場を止められたが出たいと主張して走った。そんな岩出にとって今は、やりやすい練習環境のようだ。
津市出身。04年アテネ五輪金…