「その女、ジルバ」(C)有間しのぶ/小学館/ビッグコミックオリジナル [PR] マンガ文化に大きな足跡を残した手塚治虫の業績を記念する手塚治虫文化賞(朝日新聞社主催)の第23回受賞作が決まった。マンガ大賞は有間しのぶさんの「その女、ジルバ」。新生賞は「あれよ星屑(ほしくず)」の山田参助さん、短編賞は小山健さんの「生理ちゃん」、特別賞は劇画家のさいとう・たかをさんが選ばれた。贈呈式は6月6日、東京・築地の浜離宮朝日ホールで。マンガ大賞にはブロンズ像と副賞200万円、新生賞、短編賞、特別賞にはそれぞれブロンズ像と副賞100万円を贈る。 受賞記念のイラスト(C)有間しのぶ/小学館/ビッグコミックオリジナル 選考対象は国内で昨年に刊行・発表されたマンガ。最も優れた作品に贈るマンガ大賞は、社外選考委員の投票(持ち点15点で1作につき最高5点)による上位11作と、専門家や書店員の推薦1位の作品を合わせ、最終選考会で議論した。 「今年はものすごく水準が高い」(中条)と委員が口をそろえたが、投票1位の「その女、ジルバ」が「女性の日常をベースに、日本の戦後七十余年を総括する壮大な物語」(桜庭)と、多くの支持を集めた。 「あれよ星屑(ほしくず)」(C)山田参助/KADOKAWA 新生賞と短編賞は共に激しい競り合いとなった。「あれよ星屑」は「戦後の焼け跡をたくましく生きる人の体温まで感じさせる」(南)など、作者初の長編ながら高い完成度が評価され新生賞に。「生理ちゃん」は「生理ちゃんのキャラクター造形が秀逸」(ヤマダ)などの声が上がり、短編賞に決まった。 受賞記念のイラスト(C)小山健/KADOKAWA 特別賞は社外選考委員の意見を参考に、朝日新聞社がさいとう・たかをさんに決めた。昨年連載50周年を迎えた「ゴルゴ13」をはじめとする長年の業績と、マンガ文化への貢献を評価した。(小原篤) さいとう・たかをさんが受賞を記念して描き下ろしたイラスト(C)さいとう・たかを 1次選考結果(6位まで) ①「その女、ジルバ」(有間しのぶ、小学館)=15点(桜庭5、中条5、ヤマダ5) ②「海街diary」(吉田秋生、小学館)=8点(中条4、里中2、ヤマダ2) ※関係者推薦1位 ③「あれよ星屑(ほしくず)」(山田参助、KADOKAWA)=7点(南4、中条3) ③「凪(なぎ)のお暇(いとま)」(コナリミサト、秋田書店)=7点(杏4、桜庭3) ⑤「ダルちゃん」(はるな檸檬、小学館)=6点(桜庭4、杏2) ⑥「彼方(かなた)のアストラ」(篠原健太、集英社)=5点(秋本5) ⑥「健康で文化的な最低限度の生活」(柏木ハルコ、小学館)=5点(南5) ⑥「さよならミニスカート」(牧野あおい、集英社)=5点(秋本4、桜庭1) ⑥「フラジャイル」(原作/草水敏、漫画/恵三朗、講談社)=5点(みなもと5) ⑥「ましろのおと」(羅川真里茂、講談社)=5点(杏5) ⑥「約束のネバーランド」(原作/白井カイウ、作画/出水ぽすか、集英社)=5点(里中5) 社外選考委員(敬称略、50音順) 秋本治(漫画家) 杏(俳優) 桜庭一樹(小説家) 里中満智子(マンガ家) 中条省平(学習院大学フランス語圏文化学科教授) 南信長(マンガ解説者) みなもと太郎(漫画家・マンガ研究家) ヤマダトモコ(マンガ研究者) 第23回の贈呈式と記念イベントに読者300人を無料招待します。 有間しのぶさん、選考委員で「小説 火の鳥 大地編」を朝日新聞beで連載中の桜庭一樹さん、手塚治虫の長女るみ子さんが3人でトークを展開。来場者には火の鳥の記念バッジを差し上げるほか、受賞者が描き下ろしたイラストのポストカードなどを会場限定で販売します。 6月6日午後6時~7時50分、東京・築地の浜離宮朝日ホールで。申し込みは応募サイト( http://t.asahi.com/tezuka6 )から。または、はがきに郵便番号、住所、氏名、年齢、電話番号を書いて〒104・8011東京都中央区築地5の3の2朝日新聞社CSR推進部 手塚治虫文化賞事務局へ。5月8日必着。当選者には招待はがきを送ります(譲渡はできません)。 問い合わせは事務局(03・5540・7453、平日のみ)へ。 受賞者のみなさんのコメントや横顔、記念描き下ろしイラストに自画像など、まだまだコンテンツは満載。ゴルゴ顔のアトムは必見です。 ■「私も救われた」 有馬… |
大賞に「その女、ジルバ」 「水準高い」手塚治虫文化賞
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