建材大手会社の所蔵品でフランス近代絵画の歩みを概観する「印象派からその先へ」展が、神戸市中央区の兵庫県立美術館で開かれている。国外にも知られる質と規模を誇りつつ、企業コレクションらしさが味わい深い顔ぶれだ。
1、2章では19世紀半ばのバルビゾン派を経て印象派が新たな色彩表現を開き、キュービスム、抽象絵画などのモダン・アートへ向かう流れをたどる。全出展作品72点の核となる印象派はルノワールのパステル画1点を含む7点、モネ5点、ピサロ6点などでそれぞれの画風の変遷を感じさせるほか、様式の過渡期にあったセザンヌや初期のゴッホなどポスト印象派の重要作品も紹介。3章では、モダン・アートと並行する動きとして、パリに定住しエコール・ド・パリと呼ばれた外国人画家らも取り上げている。
これらの作品を所蔵するのは吉…