都市の再開発が進む名古屋の栄地区。文化施設の拠点としても知られるが、実は意外な場所にも、「芸術」がちりばめられている。こうした「まちなかアート」を生かそうと、美術館や劇場が外に飛び出し、動き出した。 400年の歴史重ね 名古屋・栄、20年代には様変わり 藤井聡太七段もOB 名古屋・栄にある将棋の「虎の穴」 「可能なら寝っ転がってじっと見ていたいですね」 愛知県豊田市のモザイク愛好家、森上千穂さんは3月、建て替えを予定している中部日本ビルディング(中日ビル)のモザイク天井画を見上げた。岐阜県出身の洋画家、矢橋六郎が制作した「夜空の饗宴(きょうえん)」だ。 栄地区には、こうしたモザイク画がいくつも残されている。カゴメ本社の「トマトの由来」、CBC会館の「芸術と平和」など、いずれも昭和期に建設された建物を彩る。当時の姿のまま残されていることが注目され、最近は雑誌などで特集されることも増えた。 そのきっかけを作った1人が森上さんだ。タイルで雑貨を作ったのをきっかけに、建物のモザイク壁画に興味を持つようになったという。「当時の状態のまま鑑賞できるモザイク画はどんどんなくなる。もっと情報を発信しよう」と、NPOの企画などで、建物のモザイク画のガイドツアーをするようになった。 こうした活動は、モザイク画の保存にも結びついた。中日新聞社は2月、中日ビルの建て替え後もモザイク天井画を活用すると発表した。中日ビルの市村俊光・新中日ビル準備室長は「元々、天井画は残す方針だったが、きちんとした形での保存に方針が固まったのは、間違いなく森上さんの活動の影響だ」と話す。 ビルのスタッフにとって、天井… |
ビルの壁画アートに脚光 きっかけは女性愛好家 名古屋
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