校庭で空中芸を披露するダンサー。全国からパフォーマーが集まり開かれた創作ワークショップでは、約100人の地元住民らの前で発表会が行われた=2019年5月12日、高松市塩江町、細川卓撮影
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深い緑に囲まれた四国の山間の町に、現代サーカスの聖地を作る構想が進んでいる。高松市塩江町(しおのえちょう)にある廃校を中心に一帯を創作拠点「Shiono●(●はeに〈鋭アクセント〉付き)AIR」(シオノエアー)と名付け、振付師やパフォーマーらが長期滞在して創作活動ができる場所を目指している。
パフォーマーらと記念撮影をする田中未知子さん(中央)=2019年5月12日、高松市塩江町、細川卓撮影
拠点作りを仕掛けたのは、長年現代サーカスの普及に努める田中未知子さん(49)。仕事で初めて訪れた瀬戸内海の気候や景色、文化にひかれ、8年前に高松市に移住し、一般社団法人「瀬戸内サーカスファクトリー」を立ち上げた。パフォーマーを育成する拠点となる場所を探していたところ、4年前に閉校した塩江町の旧上西小学校に巡り合った。
現代サーカスは、1970年代にフランスで生まれたといわれる。演劇やダンス、美術などあらゆるアートを取り入れ、エアリアル(空中芸)など身体を使って表現する総合芸術をいう。従来のサーカスのように猛獣は登場しない。カナダ発祥の「シルク・ドゥ・ソレイユ」などが知られている。パフォーマンスをするには大がかりな装置が必要になることもあり、特にエアリアルのパフォーマーらにとって、練習場所の確保は悩みの種だった。
体育館のはしごを使って練習をするパフォーマー=2019年4月5日、高松市塩江町、細川卓撮影
現在、イベントなどに派遣するパフォーマーの練習場所やワークショップの舞台として体育館や校庭を活用している。ゆくゆくは使っていない地域の集会所を改装して宿泊施設も作り、長期間滞在しながら創作や練習ができる場所にする予定だ。
この後、パフォーマンスの様子やインタビューを収めた動画があります。
田中さんの考えに共感し、3月…