再生可能エネルギーによる電気の固定価格買い取り制度(FIT)について、経済産業省は、新たに造られる大規模な太陽光発電設備を買い取り対象から外す方針を固めた。2020年にもFIT法を改正し、それ以後は設備を認定しない。太陽光に偏って増えているためで、事業者の競争を促す新制度に移す考えだ。
FITは、再生エネの普及を後押しする狙いで12年度に始まった。あらかじめ決められた高い価格で電力会社に一定期間の全量買い取りを約束している。認定を止めるのはメガソーラーといった大規模な設備のみで、家庭用などは引き続き認定する。大規模太陽光も認定済みのものは、約束通りの価格と期間、全量買い取りを続ける。
経産省がFITを見直すのは、太陽光発電が急激に普及した一方、最終的に消費者の電気料金に転嫁される電力会社の買い取り費用がかかりすぎているためだ。太陽光を含めた再生エネの19年度の買い取り総額は約3・6兆円で、電気料金に転嫁された「賦課金」は約2・4兆円。標準家庭が今年度負担する見通しの年間の賦課金は9204円で、12年度の686円と比べると13倍以上になった。
経産省は、買い取り総額の7割を占める事業用太陽光のうち、新規の大規模なものはFITによる優遇をなくし、事業の自立化を促すことで、賦課金の今後の伸びも抑えられるとみている。ただ制度設計次第では、再生エネ普及を阻害する恐れもある。
こうしたFITの見直し案を含…