◆新型コロナの「インフルエンザ化」、十分な証拠はない
現時点ではまだ十分な証拠はない。もし、感染力が依然として強いが致死率が下がり続けるというようなウイルス感染の法則が現れていれば、長期的に存在する可能性がある。現在やるべきことは長期的な観察、十分なデータとケースの把握で、これにより類似する観点を導き出すことができる。現在の状況では、この予測が現実になることはないと思う。
◆動物間の感染、結論を出すのは時期尚早
犬、猫、虎など一部の動物がPCR検査で陽性反応を示している。一体汚染によるものか、感染によるものかについては、今後の観察が必要だ。一部の動物の体内にはそもそもウイルスがあるが、症状が出るとは限らず、感染するとも限らない。こうした動物の新型コロナウイルスが人や動物に感染する上、発症すると判断するのはまだ時期尚早だ。一般的には、私は否定的な見方をしている。
◆特効薬はまだないが、効果的な薬は発見
我々が現在試験を行っているクロロキンなどの実験結果は効果的なものとなっている。現在はその総括中で、早いうちに発表できるかもしれない。また、連華清瘟などの中医薬についても体外実験を行っており、そしてP3実験室(生物安全防護レベル3の実験室)内でその抗ウイルス性が高くないが、消炎の効果が大きいことが分かっている。関連実験結果も近日中に発表する。そのほかにも中医薬の血必浄がある。その主要成分には紅花、丹参、赤芍などが含まれ、「活血化瘀」に用いられる。しかし重症者治療の効果は初期段階から見て効果的であり、現在総括を行っている。
◆ワクチンはすぐできることはない
真の感染終息に向けワクチンが非常に重要になる。各国が現在、最速のペースで研究開発を進めている。しかし私はワクチンが3、4カ月でできるとは思わない。またSARS対策の経験によると、その中間宿主を取り除くことでも感染拡大を防止できる。現段階ではまだ新型コロナウイルスの感染経路がどうなっているか分かっていないが、分かった後の遮断も重要だ。
ワクチンだけに期待し、その他の方法を無視するならば消極的だ。しかもワクチンができてからすぐに完璧なものになるわけがない。感染しやすい人は接種を受けてもよいが、全員が受ける必要はない。
◆集団免疫は最も消極的な手段
感染対策の最も消極的な手段は、いわゆる集団免疫だ。これは百年以上前の考えで、当時の人類には他の方法がなくウイルス感染を放任するしかなかった。感染後に生き残った人が自ずと抗体を獲得する。現在再びこの手段で新型コロナに対応するならば、私は賛成できない。
◆中国の感染対策、最も共有すべき経験は実行力
中国は感染症との戦いで、主に次の措置を講じた。(1)流行中の地域を封鎖し、感染を遮断する。(2)末端の集団対策・治療、すなわち共同感染対策。現在の感染対策の中心も2つで、距離を置くこととマスクの着用だ。
そのため最も共有できる経験は実行力だ。医療水準及び技術力が中国を大きく上回る国は多いが、感染症に対して為す術を失っているのは心の備えがなく、断固とした措置を講じなかったためで、これにより多くの医療従事者が感染した。この防御ラインが突破されれば、コントロールを失いやすい。(編集YF)
「人民網日本語版」2020年4月13日