2020年は新型コロナウイルス感染症が世界に大きな打撃を与えており、中国経済も例外ではない。
感染症の打撃の中、巨艦は失速し、逆巻く波の頂点から真っ逆さまに落ちていくような状況だ。第1四半期(1-3月)の国内総生産は前年同期比6.8%減少し、1992年に四半期GDPデータを公表し始めて以来の最低を更新した。また経済を牽引する消費・投資・輸出の「トロイカ」がいずれもマイナス成長になり、前年同期比減少率が10%を超えた。
打撃と変化する局面に直面して、中国は一連の非常措置を打ち出した。その後、感染状況が日に日に好転するにつれ、中国経済も落ち着いて好転の兆しを見せ、経済活動が再開した。1年の中盤になると、14億人の国民の生活を背負ったこの巨大なエコノミーは感染症という波をかき分け、急速に回復を遂げている。
製造業PMIが4ヶ月連続でボーダー上回る
国家統計局がまとめたデータによると、今年6月には、中国の製造業購買担当者景気指数(PMI)が50.9%となり、前月比0.3ポイント(p)上昇し、4ヶ月連続で50%を超えた。
PMIは経済をモニタリングする先行指標だ。50%が景気・不景気のボーダーラインで、50%より高ければ経済は拡大傾向にあることになる。普通の状況であれば、PMIが3ヶ月連続して拡張の方向に変化した場合は、経済運営のトレンドが変化し、製造業が緩やかに回復しているとみなされる。
工業企業の利益が今年初めてプラス成長
国家統計局のデータでは、5月には全国の一定規模以上の工業企業(年売上高2000万元以上の企業)の利益総額が5823億4千万元(1元は約15.2円)に達し、4月の同4.3%減少から6.0%増加になり、その月の利益増加率がマイナスからプラスに転じ、今年初のプラス成長を達成した。
国有企業の利益が前年同期の水準を基本的に回復
財政部(省)がまとめたデータでは、5月の全国の国有企業の利益は前月より増加して、基本的に前年同期の水準を回復した。5月の国有企業利益総額は前月比251.1%増加し、前年同期の94.5%を回復した。
6月中旬には一連のデータがも好転の兆しを見せている。
市場での販売状況が3ヶ月連続で好転
5月には、社会消費財小売総額が同2.8%減少したが、減少幅は前月より4.7p縮小した。デジタル経済の上昇が続き、ライブコマースなどの形態が猛烈な勢いをみせ、1-5月には実物商品のオンライン小売額が同11.5%増加し、増加率は1-4月を2.9P上回った。
新製品が急速な伸びを示した。5月には3Dプリンター、スマートウォッチ、集積回路に使用されるシリコンウエハー、充電ポールなどの製品の生産量の平均増加率が70%を超えた。