【ワシントン=川合智之】米国とロシアは3月31日、温暖化ガスの排出量の削減目標を国連気候変動枠組み条約事務局に提出した。米国は排出量を2025年までに05年比で26~28%削減、ロシアは30年までに1990年比で25~30%削減する目標を出した。第1陣の提出期限だった3月末までに、欧州などに続いて米ロが名乗りを挙げたが、日本や中国は出遅れた格好だ。 米は20年に05年比で17%削減し「(25年の)28%削減に向けて最善の努力をする」とした。20~25年の削減ペースは05~20年から倍増し、年2.3~2.8%とする。50年には排出量を80%削減し、低炭素社会への移行を図る。 米は排出量の多い石炭発電などの規制を強化する。米環境保護局(EPA)は火力発電所から出る二酸化炭素(CO2)を30年までに05年比で30%減らす規制案を公表している。中大型車の燃費基準も強化。家電製品や建物の省エネ化で、30年までの排出量を計30億トン減らす。 ロシアは森林へのCO2吸収を前提に、30年までに1990年比で25~30%減らす目標を掲げた。フィゲレス条約事務局長は31日、「より多くの国の目標提出を期待している」と呼びかけた。 日本や中国は3月末の提出を見送った。望月義夫環境相は31日の記者会見で「3月末までに提出できなかったことは非常に残念」と述べた。目標の提出時期は「国際交渉に負の影響を及ぼすことのないようにできるだけ早くとりまとめる」とし、6月上旬にドイツで開く主要7カ国(G7)首脳会議(サミット)をにらみ検討を急ぐ。 世界最大の温暖化ガス排出国の中国は、昨年末の国連の会合で「3月末の提出を目指す」としていたが、6月末にも出す方針だ。日本など先進国の動向を見極めたい思惑があるとみられる。 これまでの国際交渉で、準備が済んだ国は3月末までに目標を出すことになっていた。31日までに米ロをはじめ、欧州連合(EU)やスイス、ノルウェー、メキシコの計6カ国・地域が国連に削減目標を提出した。EUは30年までに「1990年比で少なくとも40%削減」を目指す。 |
温暖化ガス削減目標、米ロ欧が先行 国連に提出
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